シュー生地を使うスイーツはシュークリームだけじゃない!シュークリームの仲間とも言えるエクレア、パリブレスト、シューパリジャン、フロッケンザーネトルテを解説します。

シュークリームといえば、フランス語でキャベツを意味するように、丸い形にクリームが詰まっている形を思い浮かべることでしょう。シュークリームの形は他のスイーツと比べてとても個性的です。パティスリーのショーケースを思い浮かべて下さい。味の違いはありますが、ショートケーキ、プリン、ムース、タルトといったように殆どの物は同じような形をした物がありますが、シュークリームだけは類似の形は無いですよね。

しかし、実はシュークリームにも仲間がいます。よく考えてみれば、軽い歯ざわりなのにしっかりと存在感がある、あんなに美味しいシュー生地がシュークリームだけにしか使われていない方が違和感あると思いませんか?シュー生地を使ったスイーツは身近なものから日本では聞き馴染みのないものまで、様々な種類があります。早速どんなものがあるのか見ていきましょう!

エクレア

シュー生地を使ったお菓子の中で、日本で一番よく知られているものはエクレアではないかと思います。丸いシュークリームに対してエクレアは正反対ともいえる細長い形をしているので、シュークリームの仲間とは気付かない方も多いかと思いますが、よく見るとエクレアもシュー生地で作られています。シュー生地を細長く絞って焼き、上からチョコレートなどをかけ、中にクリームを挟んだものが一般的です。最近はとてもお洒落になり、チョコレート以外にも色鮮やかなフルーツ風味のソースやクリームを使用したもの、エクレアの上に小さなマカロン等をのせてデコレーションされた可愛らしいものもなど、味も見た目も美しいエクレアが数多く登場しています。

元々はシュークリームと同じくフランスが発祥で、考案者はシュークリームを発明したとされるパティシエ、ジャン・アヴィスの弟子であったアントナン・カレームだといわれています。「エクレア」はフランス語で「稲妻」を意味する言葉。焼き上がった生地の割れ目が稲妻に似ていることが由来とされています。シュークリームはキャベツ、エクレアは稲妻、フランス人はネーミングセンスがユニークで素敵だなと思います。

パリブレスト

こちらはエクレアほど有名ではないですが、スイーツ好きな人は知っているお菓子ではないかと思います。リング状に焼かれたシュー生地に、プラリネ風味のクリームをサンドしたドーナツのような形のお菓子です。名前の由来はフランスの都市であるパリとブレスト間を走る自転車レースにちなんで付けられました。お気付きかと思いますが、シュー生地の形は自転車の車輪を模っています。このレースは1891年に開始され、なんと1200kmもの距離を走る世界最古の自転車レースです。大会の創始者がレースの象徴となるようなお菓子を作って欲しいとパティシエに頼み、パリブレストは生まれました。このパティシエのお店は現在も100年以上変わらない味を守り続けているそうです。

シューパリジャン

シュー生地にアーモンドダイスを散らし、パリパリの食感に焼き上げたシュークリームです。中のクリームもプラリネ風味の濃厚なクリームが使われることが多く、重厚感と高級感のある味わいです。日本でもお洒落なパティスリーを筆頭によく見かけるようになりました。パリジャンとはフランス語で「パリっ子」という意味で、生地のパリパリ感をパリにかけて名付けられたという説もあるそうです。

フロッケンザーネトルテ

シュークリームがフランス生まれなだけに、派生したお菓子もフランスのものが多いですが、こちらはドイツ生まれのお菓子です。シュー生地を絞るのではなく、薄く広げて焼き上げ、間にクリームとチェリーやラズベリーなどを挟んで層にしてお菓子です。例えるならばミルクレープの生地がシュー生地になったものといったところでしょうか。シュー生地を広げて焼くとはなんとも斬新ですが、薄く伸ばしてもシュー生地のふわふわした感じは失われず、軽い食感の生地に仕上がります。この軽い食感とクリームのハーモニーの絶妙なお菓子ですが、その反面で柔らかい生地でクリームを挟み、積み上げる点が難しく、上級者向けのレシピでもあります。聞きなれない名前かと思いますが、実は国内でも大手製菓メーカーが販売しており、TV番組で取り上げられたこともあります。

食べてみたいと思う世界のシュークリームの仲間はございましたでしょうか?どれも新たなシュークリームの魅力に魅了されること間違い無しのお菓子です。見かけたら、是非一度食べて見て下さい。

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