シュークリームに詰めるものはクリームだけと思っていませんか?そんなことはありません。シュークリームの可能性は無限大、和の食材ともよく合います。早速「和風×シュークリーム」のハーモニーの魅力をご紹介します。
餡ともよく合うシュークリーム
和菓子におけるカスタードクリームやホイップクリームの位置付けになるものは何かと考えた時、やはり「餡」が最適ではないでしょうか。生クリームやカスタードクリームが様々なお菓子やパンに使われるようにあんこも様々なお菓子やパンに使われています。最近はあんバターといった洋風と和風の融合したものも良く見かけるようになりましたが、シュークリームにおいても和の食材との融合はよくマッチします。
シュークリームと大福は似ている?
さて、和菓子でもシュークリームのように生地で包むお菓子はないしょうか。和菓子も実に様々な種類があるので、全て列挙するのは難しいですが、代表的に大福があります。柔らかい生地で甘いものを包むという発想は大福もシュークリームも同じです。実際にアイスクリームを求肥で包んだ某有名商品や求肥で生クリームを包んだ手土産品も存在しているくらいなので、逆発想で大福の中身をシュークリームに詰めても美味しいのではないか?そう思い、早速試作に移ることにしました。
いちご大福とは
シュークリームにも合う大福の種類と考えて真っ先に浮かんできたものが「いちご大福」です。洋菓子には欠かせない苺も入っていて、シュークリームに合わない訳がないだろう思い、狙いを定めました。ところで大福の新星ともいえるいちご大福はどのようにして生まれたのでしょうか。少し見てみましょう。登場した時期は1980年代といわれており、複数の和菓子店で同時期に登場したとみられていますが、中でも東京・新宿に店を構える「大角玉屋」での販売がブームの先駆けともいわれています。いちご大福を生み出したきっかけは若者の和菓子離れを阻止する狙いが大きかったようです。当時は洋菓子がどんどん浸透していき、洋菓子の代名詞ともいえるショートケーキの白いケーキに赤い苺の姿は若い女性たちの憧れでした。そこで、いちごを大福にも入れてみたらどうかということで作られたそうです。その狙いは的中し、昭和から平成を経て、令和になっても若者たちから注目され、SNSには美しい断面のいちご大福の写真がずらっと並んでいます。
当時はブームを願ったとはいえどもSNSという形で注目されるとは思ってもいなっかたでしょうね。随分と便利な世の中になりました。近年はこの断面を美しく出すために、切る用の糸が同梱されていることもあります。一口にいちご大福といっても粒あんだったり、白あんだったり、豆大福ベースだったり、求肥もピンク色だったりとお店によって三者三様です。ちなみに苺大福の日というものもあって、4月15日だそうですよ。
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いちご大福風シュークリーム
<材料・4個分>
シュー生地
- 薄力粉・・・30g
- 卵・・・1個
- 水・・・20ml
- 豆乳・・・20ml
- バター・・・20g
ホイップクリーム
- 生クリーム・・・40g
- 砂糖・・・小さじ1/2
粒あん・・・適量
いちご・・・4個
<下準備>
- 薄力粉はふるっておく。
- バターは1cm程度の角切りにし、室温に戻しておく。
- 卵は良く溶いて、室温に戻しておく
- いちごは洗って水気を除き、ヘタを落として縦半分に切っておく。
<作り方>
- 鍋に水、豆乳、バターを入れて中火にかける。沸騰させ、バターが全て溶けたら薄力粉を全量加えて練るように加熱する。
- 鍋底に膜が張るようになったら1をボウルに移し、卵を3回程度に分けて加え、その都度よく混ぜる。
- 2を絞り袋に入れ、クッキングシートを敷いた鉄板に直径2cmくらいのドーム型になるように絞る。霧吹きで水をかけ、200℃のオーブンで25分焼く。
- ボウルに生クリームと砂糖を入れて8分立てに泡立てる。
- 焼き上がった3の粗熱が冷めたら、シューを縦半分に切る。中にホイップクリーム、粒あんの順に詰め、最後にいちごを断面が見えるように入れる。
近年はいちご以外のフルーツ大福も続々登場しているように、様々なフルーツで試してみると面白いです。いちご以外にもみかん、キウイフルーツ、バナナ等など何でも合います。フルーツは水気が多い物も多いので、クッキングペーパーでしっかり押さえてから使うのがインスタ映えする作り方のコツです。ホイップクリームだけでなくカスタードクリームとあんこの組み合わせも絶品。色々なパターンで和とシュークリームのコラボを楽しんでいただきたいです。