シュークリームでアレンジできるのはクリームやシュー生地だけじゃない。シュー生地の形を変えれば華やかな形のシュークリームに。ハイブリッドスイーツでもシュークリームが人気の理由とは?シュヌレって知ってる?

シュークリームは言うまでもなく、そのままで十分に美味しいデザートですが、世の中にはアレンジしたものも多数存在します。いつものシュークリームにひと手間加えるだけで、一層美味しく華やかになる「進化系シュークリーム」をご紹介していきます。

スワン型シュー

こちらは古くから愛されるアレンジシュークリームです。白鳥に見立てた形のシュークリーム、一度は見たことがあるのではないでしょうか。1968年にフランス人パティシエのアンドレ・ルコンド氏が東京にオープンしたパティスリー「A.Lecomte」で販売されたのが始まりとされています。白鳥の特徴である長い首はシュー生地を細長く絞って焼いたものから出来ています。胴体の部分はレモン型にシュー生地を焼き、上下で2等分に分け、下半分にクリームを詰め込み、上半分は更に2等分して羽に見立て、クリームの側面に添わせることで白鳥を演出します。白鳥を連想させる白色である生クリームが主流になっていますが、生クリームが未だ浸透していなかった頃は当時主流であったバタークリームが多く使われていたそうです。今でこそバタークリームを詰めたシュークリームは珍しくなってしまいましたが、こう聞くと食べてみたいな思うものです。現在でも昭和の時代から続くスワンシューの味を守り続けている老舗洋菓子店も存在しています。令和になっても全く古びた感じがしないスワンシュー。伝統の味をいつまでも守り続けて欲しいと陰ながら応援しています。

シュヌレ

こちらは逆に新たなアレンジシュークリームとして登場し、じわじわと人気を博している令和の新星です。名前の通りシュークリームとカヌレをかけ合わせたスイーツで、生地はシュー生地、形はカヌレ型をしています。ここで改めましてカヌレとは何かと言いますと、ワインで有名なフランス・ボルドー地方に伝わるお菓子で、フランス語で「溝のついた」を意味する通り、縦溝が入った釣鐘型の容器に入れて焼き上げます。日本でもお洒落なカフェやベーカリーをはじめ、最近ではコンビニでも扱うようになったので、一度は見かけたことがあるのではないかと思います。本来のものは外側がカリっと、内側はもっちりといったパンに近い食感のお菓子ですが、シュヌレはこのカヌレ型にシュー生地を入れて焼くので見た目はカヌレの形でも全く違う食感になります。ちなみに、シュー生地は全卵を使いますが、カヌレの生地は卵黄を使います。これはワインの製造工程で不純物を取り除くために卵白を使う工程があり、ここで余った卵黄を活用するために生み出されたという背景があります。

現代でいうサスティナブルなお菓子というわけです。シュヌレの場合は中にクリームやフルーツを詰め込んだり、表面にチョコレートをかけられています。SNS全盛期に生まれたお菓子ということもあり、可愛らしいデコレーションが施されたものも多く、専門店も続々オープンしています。

ご自宅で専門店のようなアレンジをするのには時間も費用もかかりますが、美味しく、手軽に、費用をかけずアレンジをすることも可能です!不思議なことに簡単なアレンジでも見た目が可愛らしいと10倍喜んでもらえたりするものです。実際には1.2倍くらいの手間で10倍の効果を得てみませんか?

くまのシュークリーム

〈材料〉

シュー生地

  • 薄力粉・・・25g
  • バター・・・20g
  • 水・・・20ml
  • 牛乳・・・25ml
  • 卵・・・1個

クッキー生地

  • 薄力粉・・・30g
  • バター・・・20g
  • 砂糖・・・30g

カスタードクリーム

  • 卵黄・・・1個
  • 砂糖・・・30g
  • 薄力粉・・・大さじ1
  • 牛乳・・・100ml

生クリーム・・・80g
チョコペン・・・適量

〈下準備〉

シュー生地用のバターは細かく切って室温に戻しておく。

クッキー用のバターは室温に戻しておく。

薄力粉はふるっておく。

卵は室温に戻し溶いておく。

〈作り方〉

  1. クッキーを作る。ボウルにバター、砂糖を入れてよく混ぜる。薄力粉を加え、全体が均一になるように混ぜる。ラップで挟み、3㎜の厚さに綿棒で伸ばす。冷蔵庫でしばらく冷やす。
  2. シュー生地を作る。鍋にバター、牛乳、水を入れて中火にかける。沸騰して、バターが全部溶けたら一度を火を止めて薄力粉を一気に加える。練るように混ぜ、再度火をつけて練りながら1分ほど加熱し、鍋底に膜が張る位になったら火を止めてボウルに移す。
  3. 卵を3回に分けて加える。その都度全体が均一になるようによく混ぜ、最終的に持ち上げた時に生地がヘラからゆっくりと落ち、ヘラに残った部分が逆三角形になるような状態になるまで卵を入れる。
  4. 3を絞り袋に入れ、クッキングシートを敷いた鉄板に直径2cmのドーム型になるように絞る。上から霧吹きで水をかける。1のクッキー生地を丸形で抜き、シュー生地の上に乗せる。余ったクッキー生地を丸め、一緒にてっぱんに乗せる。190℃に予熱したオーブンで30分焼く。
  5. クリームを作る。ボウルに卵黄、砂糖を入れてよく混ぜる。薄力粉を加えてダマがなくなるまでよく混ぜる。小鍋に牛乳を入れて火にかけ、軽くフツフツするくらいまで温める。これを少しずつ加えて伸ばす。
  6. 5を鍋に戻し、中火にかけながら絶え間なく混ぜる。とろみがついてきたら火から下し、余熱で混ぜる。とろみが一段階強くなり、ツヤが出たらバットに移す。上から密着するようにラップをかけ、冷蔵庫で冷やす。
  7. ボウルに生クリームを入れて7分立てに泡立て、ホイップクリームを作る。粗熱を冷ました6のコシを切り、ホイップクリームと合わせて混ぜる。
  8. 焼き上がったシュー生地を上から1/3の高さで切り込みを入れる。7のクリームを中に詰め、はみ出した部分にチョコペンで顔を書く。耳に見立てたクッキーに少量のクリームを付け、上にトッピングする。

クマ以外にもウサギやネコなど、耳の形を変えれば色々な動物アレンジが出来ます。お子様はきっと大喜び間違い無し。インスタ映えにももってこいです。

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