シュークリームといえば、甘くて美味しいデザートという印象だと思いますが、実は甘くなくて美味しいシュークリームがあることはご存知でしょうか?スイーツ好きにとっては他のケーキ類では味わえないシュークリーム独特の歯触りであるシュー生地にカスタードクリームと生クリームの融合した甘さのハーモニーこそがシュークリームの醍醐味といっても過言ではないでしょう。そう考えると甘くないシュークリームなんて言語道断に思えますが、実はシュークリームは甘くなくても美味しいのです。早速、甘くないのに美味しいシュークリームをご紹介致します。
シュー・サレ
「サレ」とはフランス語で「塩」を意味します。この時点で甘くないものなのだろうと想像がつきますが、その正体は一言で表現すると「シュークリーム・サンドイッチ」です。通常のシュークリームはシュー生地にカスタードクリーム等の甘いクリームが詰め込まれていますが、シュー・サレにはクリームの代わりに様々な具材が入れられます。具体的にはサラダ、サーモン、チーズ、オリーブ、生ハムといった食材やフランス総菜です。一時期、シュー・サレはパリのマダムの間で大ブームとなり、お洒落なマダムがカフェで頬張るものという位置付けでした。その頃に日本にも入ってきて、かつては専門店もありました。まだ日本では馴染みがないようですが、クロワッサンを使ったサンドイッチなどが人気なところを見ると、シュー・サレのブームが来る日も近いかもしれません。最近ではプチサイズのシュー・サレがコース料理のオードブルや立食パーティーのブッフェに出されることもあります。ころんとしたシュー生地に鮮やかな食材が詰め込まれた姿はとても美しく、見た目だけでも食欲を誘います。シュー生地は薄力粉、卵、バター、水さえあれば焼くことが出来るので、ご自宅でも十分に作ることが可能です。ホームパーティーやちょっとしたおもてなしにもぴったりです。簡単なわりにとても喜ばれるでしょう。
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グジェール
こちらはシュー・サレのように中に何かを入れるのではなく、シュー生地自体を楽しみます。その代わり、シュー生地にチーズが練り込まれます。ワインの生産地としても世界的に有名なフランスのブルゴーニュ地方の郷土料理です。それだけに、ワインとの相性がとてもよく、「アペロ」でのおつまみとして定番になっています。「アペロ」とはフランスで夕食前にワインとおつまみを摂る習慣のこと。確かに焼きたてのチーズ風味のシュー生地ならばワインがすすみそうです。使われるチーズはグリュエールチーズ、コンテチーズ、エメンタールチーズが良く用いられます。その他、小さく切ったベーコンをアクセントに加えることもあります。
日本ではこれらのチーズは手に入りにくい上、値段も高額です。そこで手軽に作ることが出来るの方法が粉チーズを用いた作り方です。粉チーズであれば、どこでも手に入るので日本でも焼きたてのグジェールを楽しむことが出来ます。甘くないシュークリームと聞くと、躊躇する方も、グジェールはとても美味しく、食事にも合うのできっとシュークリームは甘くなくても良いという考えに変わるはずです。騙されたと思って試してみて下さい。
甘くないシュークリーム「グジェール」を自宅で作っちゃおう!
粉チーズのグジェール
<材料・中サイズ8個分>
- 薄力粉・・・25g
- 卵・・・1個
- バター・・・20g
- 粉チーズ(練り込み用)・・・10g
- 水・・・40ml
- 塩、こしょう・・・少々
- 粉チーズ(仕上げ用)・・・適量
<下準備>
- バターは小さな角切りにし、室温に戻しておく。
- 薄力粉はふるっておく。
- 卵は室温に戻し、良く溶いておく。
<作り方>
- 鍋に水、バター、塩、こしょうを入れて中火にかけ、バターを溶かす。
- 1に薄力粉を全量加え、よく混ぜる。中火にかけながら約1分程度練るように加熱する。
- 鍋底に膜がつくようになったら、ボウルに移し、粉チーズを加えてよく混ぜる。
- 3に卵を少しずつ加え、均一になるまで手早く混ぜる。
- 4を絞り袋に入れて、直径2cmくらいに絞り、上から粉チーズをかける。最後に霧吹きで全体に水をかける。
- 200℃のオーブンで20分焼く。
軽くて食べやすいので、いくつでも食べられてしまいそうです。ワインに合うと話しましたが、お子様のおやつとしてもお勧めです。こんなに美味しいのに、日本では売っているところを見かけたことが無いのが不思議なくらいです。どこかで扱っているのでしょうか。ちなみに似たようなものにはチーズ味のモチモチした小型のパン、ポンテケージョがあります。こちらは日本でもお馴染みで、様々なお店で売られているのを見かけます。ポンテケージョがここまで日本で売れるのであれば、グジェールももっと浸透して良いのになと少し残念です。
是非一度、甘くないシュークリームもお試ししてみては如何でしょうか?